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大学芋愛協会の愛のはなし1 ~大学芋愛協会、かけだしの頃~

日本・大学芋愛協会 奥野靖子

大学芋
大学芋専門店「おいもやさん興伸」の大学芋

なんてシンプルな様で、奥深い

「サツマイモを素揚げして、甘味を絡めた食べ物」
大学芋を言葉にしたら、とってもシンプル。
でも、それだけでは語れない奥深さが私を魅了した。
大学芋は奥深い。
その奥深さは一言じゃ、言い切れない。

例えば・・・
「冷凍品」も「惣菜品」も「専門店の大学芋」もある。
「おかず」とも「おやつ」とも言われる。
サツマイモの「切り方」、まとう「ベール(甘味)」「揚げ方」に個性がある。
もっと言えば「地域性」まである。
「季節」によって味わいの表情は変わる。

そうそう、二つとして同じ味わいはない。
今日の大学芋は、今日しか食べられないのだ。
なんとニクイ話だ!

今回は、そんな愛しい大学芋に私がハマった頃、協会を立ち上げた頃のお話だ。

大学芋にハマるきっかけ


「合格屋」にて。(中央)店主榎本様、(左)さつまいもアンバサダー協会の渡邊さんと、(右)筆者。

私が大学芋にどっぷりハマったきっかけは、東京都板橋区にある「合格屋」という大学芋専門店に・・・というよりはその店主さんに出逢った事だった。店主さんは、大学芋のおいしさだけではなく、その奥深さを教えてくれた。

とある日、合格屋の大学芋を愛でる私に「ウチ以外にも、大学芋専門店あるよ?」という店主さんの衝撃の一言。合格屋以外は行けないです・・・と最初は言ったものの「ぜひ、他の感想も聞かせてよ」と仰る心の広さに後押しされ、私の大学芋の旅は始まった。

「棒状の大学芋があったんです!!」「冬しか営業していない大学芋専門店があったんです!!」都度都度、合格屋の店主さんにレポートするのが楽しくて。ここまで私が色々なお話ができた理由は、店主さんが「お店によっておいしさの方向性が違う。それに対する好みが分かれるのみ。」という理解があるからだ。そして何より、合格屋プライドが確固たるものであると知っているからだ。

また、全国の大学芋専門店さんの思いも、私の大学芋好きに拍車をかけた。ご自身のこだわりを皆さまが持ち、伝えてくださる。サツマイモ、切り方、揚げ方、蜜や飴、販売方法・・・・。いつしか私は大学芋を求めつつ、全国の店主さんに会う事が心の支えになっていった。それはもう、公にレポートするしかないと私は思った。そう思って協会をつくる話をした際も、合格屋の店主さんは「いいじゃない!」と笑ってくれた。

大学芋協会に「愛」を足す

大学芋愛協会に関して語る際に欠かせないのは、「愛」。協会総会時は「日本・大学芋協会」だったが、とある大学芋専門店の店主さんに「なんか偉そうじゃん~」と笑われた事がどうしても気になって、翌日「日本・大学芋愛協会」に即改名をした。大学芋が好きな立場である事を理解いただくため、「愛」を入れたのだ。自己紹介でもよく「大学芋のファン協会を運営しています」等とも説明をする。今や、大学芋が素材・地域・生産者・家族等への深い思いで成り立っている事をよく知ると、「愛」を入れる事は必然だったと思っている。

後に先ほどの店主さんは「え、責めたつもりじゃなかったんだけど!」と言われたが、改名できて良かった。こうして、専門店の方々に支えられ、協会は名前新たに始まった。

大学芋愛協会の初イベントは、手作りグッズ販売


「2013年・横浜ハンドメイドマルシェ」に出展した大学芋愛協会

大学芋愛協会をつくった当初、もがいていた。
今や意外と言われるが、初イベントは「横浜ハンドメイドマルシェ」という手作りグッズを販売するイベントへの出展。2013年の事だ。その時わざわざ北海道から上京し、一緒にイベントを仕切ってくれた副会長に今でも感謝をしている。彼女は高校時代の親友であり、本協会創立時からのパートナーでもある。

マルシェで販売したのは副会長と私(共に素人)による、手作り大学芋グッズ。
・副会長と私で描いた、大学芋のイラストを入れたオリジナル切手。
・私が作った大学芋の形の粘土ストラップ。
(のちにマツコ・デラックスさんに受け取りを拒否される笑)
・大学芋の気持ちを表現した、手描きハガキ。
そして、
・合格屋さん名入り・オリジナルシャープペンシル。

「大学芋ストラップ」と「大学芋のハガキ」

プロによるキラキラのハンドメイドグッズがひしめく会場に到着し、私たちは生唾を飲んだ。正直、場を間違えた感は否めなかったが「とりあえず、公の場で大学芋をアピールしてみようよ」という気合のみだった。
なんとなくブースを訪れた人の
「え、ダイガクイモが好きなのですか?」という言葉。
そこで話が弾む不思議な心地よさ・・・はこの時から始まった。

今はサツマイモに関するイベントや、発表の場に沢山恵まれている本協会だが、この様なもがきがあってこその今だと思っている。今は3児子育て奮闘中の副会長だが、彼女に改めて感謝を伝えたくなる。

こうして、大学芋愛協会は本格的な活動を始める事ができたのだった。

奥野 靖子

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