さつまいも好きの皆さま、本年もよろしくお願いいたします。
寒い日が続きますが、ホクホクのお芋と
共に恋しくなるものと言えば・・・お風呂ではありませんか!?
筆者奥野は「大学芋」好きな一方、
「銭湯」も大好きです(銭湯文化協会の銭湯大使も務めております)。
そんな私の夢だった「さつまいも」と「銭湯」のコラボが2020年12月に実現しました!
まだまだ研究途上の「さつまいも風呂」ですが、
ちょっとだけ 秘話をご紹介させてください。
- 百種の変わり湯 博士の元へ
とある日。「根菜風呂」の文字がTwitterで飛び込んできました。写真には「さつまいも」の姿も。
投稿者は、東京スカイツリーから徒歩1分26秒(いい・風呂)にある銭湯「薬師湯」さん。
「さすが・・・!」と感嘆しました。
薬師湯さんは「百種の日替わり湯」が巷で有名。
しかも入浴剤だけに頼らず、代表・秀三様自らがブレンドする湯も多いのです。
例えば、スカイツリーをイメージしたグラデーションが美しい「タワー風呂」、
生の果実を入れた「パイナッポーアッポー湯」等。他では味わえない湯が目白押しです。
もはや秀三様はお湯のマジシャンであり、「日替わり湯の博士」と言っても過言ではありません。
早速、私は「さつまいも風呂をやらせてください!」と志願しに行きました。
快諾してくださった秀三博士は「根菜風呂で、さつまいもはお湯には浮かない事がわかりました。
大根は浮くのですよ・・・」と早速教えてくださりました。その眼差しは、研究者そのものでした。。
- さつまいもアンバサダー協会理事の意見
実施においては、さつまいものプロが集う「さつまいもアンバサダー協会」理事の皆様にも相談し、
様々なアドバイスを頂戴しました。
中でも、さつまいもカンパニー・橋本代表からは「お風呂に入れるなら“実”の部分よりも“皮”の方が良いのでは?」と助言をいただきました。というのも「コーヒー風呂等の様に、実の部分を炒ると、香りがたちそうである」事や「大学芋をつくる時は、皮の廃棄が多いので廃棄物処理にもつながる」事があるからです。さすが橋本代表・・・。この「廃棄物処理」の観点こそ、大学芋愛協会でできる事と気付かされました。という事で、私はすぐに大学芋専門店さんに連絡しました。 - 青梅大学いも学部 学部長へ
ご相談したのは、青梅市「青梅大学いも学部」さん。
こちらは実は大学芋専門店で(大学ではないのです)、代表の荒井さんは学部長と呼ばれています。
学部で扱うのは「プレミアム大学いも」。「プレミアム大学芋」のこだわりは2つ。
1つは青w梅の地酒「澤乃井」をブレンドしたおいしい「蜜」。甘さがしつこくなく、後味までふんわりいい香りがするのです。ちょっと大人の大学芋、ともいえるかもしれません。
もう1つは、素材。さつまいもの中心部分だけ使う徹底っぷりです。
このこだわりによって、外はカリカリ&中はホクホクの大学芋が実現しております。
この様に素材へのこだわりがある分、さつまいもの廃棄部分が多い事はかねてからも聞いておりました。
だからこそ、「青梅大学いも学部のさつまいもの皮」でコラボを実現する意義を私は感じたのです。楽しい事、新しい事好きな荒井学部長はすぐに快諾してくださりました。
実際に学部の芋を頂戴すると、皮にはガッツリ「実」がついております。いい予感しかしません!
- 実験風呂・報告
青梅大学いも学部さんの「皮」を使い、3つの状態で実験がされました。
状態①:さつまいも加工の翌日(@奥野家風呂 @薬師湯のビーカー)
状態②:さつまいも加工から5日後(@奥野家風呂)
状態③:さつまいも加工から5日後+レンジでチンしたさつまいも皮エキス(@薬師湯の浴槽)
ポイント1:シットリさ
「さつまいも風呂」は、湯上りに乳液を付けた様なシットリさを感じます。
最もシットリを感じたのは、状態①のフレッシュなさつまいも皮。
これはもう私もびっくりするシットリ具合でした。さつまいもの主成分はデンプンなのでその効果かと思われますが、成分に関しては今後もっと調査をする事になりそうです。また入浴時のお湯のテクスチャー自体は、歴然な差は感じられませんでした。もっと量を増やせば変わるのかもしれませんが、香りとのバランスが必要になりそうです。ポイント2:香り
状態①のフレッシュな皮は、土くささが強い香りになりました。これは好き嫌いが分かれそうな香りなので、銭湯での展開はお勧めできないものでした。秀三博士もビーカーで実験をし「半生NG」の判断が出ました。「もしかして、さつまいも皮自体がNGになりやしないか・・・」とこの時は不安でしかなかったです。
ところが状態②の乾燥皮になると、カカオの様な少し香ばしい香りに変化。とはいっても、チョコレートの様な香りではなく、あくまでもカカオのビターな大人向けの香りでした。
そしてついに、実験風呂当日。
大きな銭湯の浴槽&広い浴室では、香りがあまり感じられませんでした。
もちろんネットを手にすると香るのですが・・・。
(当日は、ゴーヤ、青パパイヤ、メロゴールドも入れております)
そこで断念しないのが、博士。写真の様な大きなガラス容器に、レンジでチンしたサツマイモをイン。状態③が完成しました。さつまいもから茶色のエキスが見る間に出ている様が見て取れます。
実験風呂終盤では、この抽出エキスを浴槽に追加し、お客様からも好評でした。ここで驚いたのが「THE・さつまいもの香り」である事。焼き芋やふかし芋で感じる「あの香り」です!すごすぎです!!博士は実はこのレンチン検証を実験風呂前にされていていた模様。恐れ入ります・・・。
電子レンジでは多くの量を加工できないので、皮の乾燥で同じ様な効果が得られるのかを今後は検証し、
再度1月に実験風呂を実施予定です。以上が現状の「さつまいも風呂」レポートです。
お力添えくださっている、薬師湯さん(秀三博士)、青梅大学いも学部さん、
さつまいもアンバサダー協会理事の皆さま、ありがとうございます。
これからも香り高い「さつまいも風呂」を目指し、
「さつまいも」に新しい楽しみ方を見いだせらと思っております。
引き続きよろしくお願いいたします。
さつまいもアンバサダー協会 理事
大学芋愛協会 会長
奥野靖子