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さつまいもの収穫量は増えてる?減ってる?

皆さん、こんにちは。
さつまいもアンバサダー協会会員の渡邊です。

突然ですが、クイズです!
国内のさつまいもの収穫量は増えているでしょうか?減っているでしょうか?

令和2(2020)年産の収穫量

正解は、減っています。
しかも驚くべきことに、令和2(2020)年産の収穫量は、農林水産省が統計をとり始めて以来、最も少ない収穫量。
4年連続の減少で、全国の収穫量は68万7,600t、前年産に比べ6万1,100t(8%)減少しました。 出典:令和2年度 食料・農業・農村白書(令和3年5月25日公表)

高齢化による労働力不足

理由の一つは、高齢化による労力不足に伴う作付中止や他作物への転換等があったため、作付面積が減少したこと。
全国の作付面積は3万3,100haで、前年産に比べ1,200ha(3%)減少しました。

サツマイモ基腐病の影響

また、主に宮崎県及び鹿児島県において生育期間の日照不足等に加えて、サツマイモ基腐病の拡大があったため、10a当たり収量が減少したことも理由の一つです。
サツマイモ基腐病は、サツマイモに寄生する糸状菌が原因で、発病すれば根やつるなどが腐敗してしまいます。
2018年に沖縄で初確認後、鹿児島県、宮崎県、福岡県、熊本県、長崎県、高知県、静岡県、岐阜県の9県に広がっています。

出典:令和2年度 食料・農業・農村白書(令和3年5月25日公表)

農研機構では、「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策」を技術者向けにまとめており、各産地でも被害が拡大しないよう対策に努めています。
基本は、病原菌を持ち込まない、増やさない、残さないこと。
そのために、定期的な苗の更新、苗・苗床の消毒、排水対策の徹底、残渣処理、土づくりも含めた計画的な輪作等を実施することが重要です。

さつまいもが好きだからこそ、もっと知りたい

今回のコラムは、さつまいもの収穫量や病気に関する内容で、ちょっとお勉強のような感じでした。
このページを読んでくれた皆さんは、きっと、(主に食べることかもしれませんがどんな形であれ)さつまいもが好きな方だと思います。
さつまいもが好きだから、もっと知りたいから、このページにたどり着いたのではないでしょうか?
さつまいもアンバサダー協会では、そんなさつまいもを「好き」から「もっと知りたい」の力になりたいと、さつまいも知識の習熟度をはかる検定事業『さつまいも検定』と、検定合格者を『さつまいもアンバサダー』として認定する事業のリリースに向けた準備を現在進めています。
『さつまいも検定』のリリースはもう少し先になりますが、まずは、さつまいもに関する基礎知識をクイズ形式で学べるオンラインクイズ『さつまいもクイズ』を先日リリースしました。
今回のコラムに書かれていたことも一部クイズになっていますので、ぜひ挑戦してみてください!『さつまいもクイズ』は誰でも、何度でも挑戦できます!

(参考)
農林水産省HP:令和2年産かんしょの作付面積及び収穫量(令和3年2月9日)
農林水産省HP:農業技術の基本指針(令和3年改定)(令和3年4月28日)
日本農業新聞:20年産サツマイモ収穫量 過去最低 基腐病拡大が深刻 農水省が対策予算拡充(2021年02月24日)

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