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さつまいもブームについて考えてみる

さつまいも国内消費量

昨今、さつまいもがブームだと言われています。
テレビニュースなどのメディアで、さつまいも、特に焼いも、次に干しいもがブームとして報じられていることを見た方も多いと思います。

デジタル大辞林で調べてみると、ブーム【boom】とは、

1 ある物が一時的に盛んになること。急に熱狂的な人気の対象となること。「ブームを呼ぶ」「サッカーブーム」
2 急に需要が増して価格が急騰すること。にわか景気。「土地ブーム」

とあります。
このようにブームという言葉の意味に「一時的」「にわか」という言葉が使われていて、私個人としては「さつまいもブーム」としてとりあげられることに「ん?」と感じるところもあります。

焼いもブームの歴史

その理由を語る前に、これまでのさつまいも(というか焼いも)ブームについてふり返りたいと思います。
焼きいもブームの歴史とその背景から引用

第1次ブーム:文化・文政期(1804年)~明治維新(1868年)
砂糖が貴重品だったため、甘くて安い焼きいもが老若男女、貧富を問わず人気となる。当時は焙烙や鉄鍋でイモを焼いていた。

第2次ブーム:明治時代~関東大震災(1923年)
明治維新以降、東京の人口急増と安い値段によって、焼きいもの需要が増大した。関東大震災を契機に下火に。その後、壺焼きが出てくる。

第3次ブーム:1951年~大阪万博(1970年)
石焼きいもの「引き売り屋台」が東京に登場。軽トラックに石焼き窯を乗せた移動販売が全国的にみられるようになる。

第4次ブーム:2003年~現在
上記資料にはいくつか理由が書かれているが、私個人としては次の2点の影響が大きいと考えています。
「焼きいもオーブン(電気式自動焼きいも機)の出現」、「甘味が強く、食感がしっとり・ねっとりした品種の出現」

さつまいもブームなのか?

焼いもから火が付いたブームは、干しいもにも波及していて、干しいもの売上も伸びていると聞いています。干しいもも「乾燥機の性能向上」、「色、味、食感が良い品種の出現」の影響が大きいです。
ただ、前回のコラム「さつまいもの収穫量は増えてる?減ってる?」で示した通り、収穫量自体は減っています。
そして、次の表のようにサツマイモの国内消費量は少しずつ減少傾向にあり、一人当たりの消費量も減少しているので、人口減だけが理由ではありません。
特に生食用(市場販売)の減少が大きいので、家庭内で食べることが減っていることが大きいと思われます。

さつまいも国内消費量

さつまいもブームと言われていますが、あくまでも加工品のみにスポットがあたっていて、全体的にはあまりブームとは言えないのが実情です。

最初に言葉の定義を確認した通り、一過的なものとして扱われるのではなく、さつまいもの可能性に着目し、いろいろな食べ方や活用がされ、今後も日本および世界の食文化として定着することを願っており、協会として様々な活動を通じて実現していきたいと考えています。

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