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茎葉も食べられるさつまいも、「すいおう」

サツマイモといえば普通は地下に生えている肥大化した根を食べるものですが、地上部の茎葉が食べられるサツマイモもあります。
それが、九州沖縄農業研究センターで育成された「すいおう」(翠王)です。野菜の王様ということで名付けらました。

従来のサツマイモの茎葉は、アクが強く苦味があるため、食材としては使うことは難しいです。戦時中には食べられることが多くありましたが、あくまでも非常食として飢えをしのぐ面が大きかったようです。

一方で、サツマイモは塊根だけではなく茎葉にも豊富な栄養素が含まれていることがわかっていましたので、日本人に不足がちな栄養を補う新しい健康野菜、夏野菜として利用できないかと期待されていました。

6年間の研究を経て育成

6年間の研究を経て育成された「すいおう」には、鉄、カルシウム、β‐カロテン、ビタミンE・Kなど日本人に不足しがちな栄養素が他の野菜に比べても豊富で、さらにポリフェノールやルテインも含まれています。

血糖値・血圧上昇抑制作用、美白(メラニン生成抑制)作用、脂肪蓄積抑制作用、抗酸化作用などの機能性が報告されており、アンチエイジングにはもってこいの食材かもしれません。

農畜産物ブランド化の取り組みも

坂戸市では、2015年9月から「すいおう」を市内の学校給食のメニューに取り入れたり、販売イベントも行っているそうです。

なかなか広く普及するのは難しそうですが、新しいさつまいもの楽しみ方として面白い取り組みだと思います。

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