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品種毎にサツマイモの食べ方を提案する必要性

植物育種

作物は将来にわたって安定的・持続的な供給を維持できるように、絶えず改良されており、世界中で新品種が開発されています。
これを植物育種と言い、主な目標は、安全性、品質、収量の三点の向上です。

安全性は、病害虫抵抗性や環境ストレス耐性の強化です。稲ですと、いもち病に抵抗性がある、寒さに強い品種などをこれまで開発してきました。サツマイモも同様です。

品質は、より栄養価が高い、あるいは加工用や非食品用としてより好適していることなどがあります。サツマイモだと焼酎原料としてデンプン価が高い品種、短時間の加熱でも糖化が進みやすい品種などを開発してきました。

収量は、単純により多くとれるだけではなく、品質にも関係してきますが、形の良いもの、栄養価が高いものが多くとれるということも重要です。

遺伝資源としての品種

改良・新品種の開発は、遺伝子組み換え以外の方法ですと、異なる品種をかけ合わせて子をつくり、有用な能力をもったものを選別して行います。
それ自体には注目するような特性はないけど、他とかけ合わせることで子が優れた特性を発現したりする場合もあり、品種というのは植物育種にとっては宝であり、多種の品種を保持・保存しておくことは、将来にわたって大事なことであります。

淘汰される品種

サツマイモについても多くの品種が育種されてきました。
近年ですと、紅はるかやシルクスイートといった人気品種が出てきています。一方で、在来品種と言われる昔から栽培されている品種や、全国流通にはのりにくいが地方では流通する品種も存在します。

ただサツマイモといえば、焼き芋・ふかし芋・スイートポテト・干し芋…など、どちらかというと甘いお菓子に近い感覚で食べられてきました。そのため、近年の育種の方向性も、甘味が強いものになってきていると感じます。

また、これらの調理法で美味しくいただけない品種は売れない、作らない、流通しない、手に取る人がいないというサイクルに入り、いずれは栽培されない品種となってしまいます。

サツマイモの多様性を伝えたい

サツマイモの美味しい食べ方はまだまだ知られていないのではないか、また品種に合わせた食べ方というのを考えていかなければならないのではないかと思います。

近年、紫芋への注目はあがってきているように感じます。ただ、一般的なサツマイモに比べると甘味が少ないのは事実。また、オレンジ系統も同様です。

これらの品種の食べ方を加工品も含め、より開発されるといいですね。

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